1、年々に折られて梅のすかた哉 ----土方岁三
2、山门を见こして见ゆる春の月 ----土方岁三
3、朝茶呑てそちこちすれば霞けり ----土方岁三
4、水の北山の南や春の月 ----土方岁三
5、年礼に出て行空やとんひたこ ----土方岁三
6、里表なきは君子の扇かな ----土方岁三
7、春ははるきのふの雪も今日は解 ----土方岁三
8、あはら屋に寝て居てさむし春の月 ----土方岁三
9、来た人にもらひあくひや春の雨 ----土方岁三
10、暖かなかき根のそはやいかとほり ----土方岁三
11、今日もきょうたこのうなりや夕けせん ----土方岁三
12、しれば迷いしらねば迷ふ法の道 ----土方岁三
13、愿うことあるかも知らす火取虫 ----土方岁三
14、胧ともいはて春立つ年の内 ----土方岁三
15、白牡丹月夜月夜に染めてほし ----土方岁三
16、咲ふりに寒けは见へず梅の花 ----土方岁三
17、差し向かう心は清き水镜 ----土方岁三
18、菜の花のすたれに登る朝日かな ----土方岁三
19、(井伊公)ふりなからきゆる雪あり上巳こそ ----土方岁三
20、我年も花に咲れて尚古し ----土方岁三
21、公用に出て行みちや春の月 ----土方岁三
22、武蔵野やつよふ出て来る花见酒 ----土方岁三
23、横に行き足迹はなし朝の雪 ----土方岁三
24、おもしろき夜着の列や今朝の雪 ----土方岁三
25、冈に居て呑むのも今日の花见哉 ----土方岁三
26、うくひすやはたきの音もつひやめる ----土方岁三
27、三日月の水の底照る春の雨 ----土方岁三
28、しれば迷いしなければ迷わぬ恋の道 ----土方岁三
29、大切な雪は解けけり松の庭 ----土方岁三
30、梅の花一轮咲てもうめはうめ ----土方岁三